秋になって菜園に花が開き始めた。
夏の間は花をつけなかったマリーゴールドが咲き誇り、ナスタチウムも花を咲かせて実もつけている。
こうした四季の菜園の変化を、楽しんでいきたいと思うこの頃だ。
さて今回もピッピのもり記録を更新したい。
写真は10月15日、空が色づきはじめた夕方に撮ったものだ。
野菜たち
前回の記録の時(8月のおわり)にはまだ花が咲いているだけで実は生っていなかったイタリアンナス。
ここ1か月で草丈約120㎝まで育ち、いくつもの実を収穫できるようになった。
相変わらずニジュウヤホシテントウが葉っぱを食べたり、実の表面をかじったりするが、もう気にならなくなってきた。(笑)
1つの畝に6本の株を植えていたが、育ちがよくないものは根本で切ってしまったから今は4本だ。
一度台風で風が強く吹いた時、すべての株が根本から倒れてしまった。
折れたわけではないから問題はなかったが、移植してすぐに支柱を立てたほうがよかったな。
ピーマンは「百姓見習記 #1」から登場しているが、いまでも収穫できている。
枝の様子を見て適宜剪定しているのと、10月になっても温かい日が多いためだろうか。
同じレイズドベッドに植えたシシトウは、途中から辛いシシトウばかりができるようになり、細いものやすぐに赤くなってしまうものなどができてきたため、片付けてしまった。
田んぼの畦でダイズを育てる「あぜまめ」をしているのだが、その時に余った種をピッピのもりにも蒔いた。育っていないわけではないが、畦の方が何倍もの実をつけている。
この枝豆がとっても甘くておいしい。来年は枝豆で食べる分を考えてたくさん植えたいと思うくらいだ。
ピッピのもりで今一番順調に育っている野菜をあげるとしたらこのニンジンだろう。筑摩野五寸人参というものだ。
何度かキアゲハの幼虫が葉を食べに来ていた。茎は食べずは葉のみを器用に食べる。
ニンジンと同じセリ科のコリアンダーにもキアゲハの幼虫がついていることがあった。コリアンダーは葉を収穫したいから食べるならニンジンを選んでほしいなあ。(笑)
ニンジンは子安三寸人参も植えたが、筑摩野五寸人参の方がうまく育っている。
どんな品種がこの土地にあっているか、ということも観察しながら見つけていきたいものだ。
未だ小さなメンバー
ニンジンは念のため2度に分けて播種した。遅く蒔いたほうはまだこんなに小さく、1回目の間引きをしたばかりだ。
このベイビーニンジン葉っぱがとってもおいしくて、天ぷらにしたりお浸しにしたり、スープに入れたりして楽しんでいる。
ダイコンは西洋赤大根とやらを蒔いた。
葉が虫に食べられる場所とそうでない場所、近くに植えていても差があるのが面白い。
種の袋には「栽培が容易」と書かれていたが、この場所で簡単に育つかどうかはわからない。
ビーツもまだ小さい。
発芽率もあまりよくなかったし、発芽したと思ったら子葉をすべて食べられていた箇所もあった。他の場所にも植えてみるべきだっただろうか。
白菜は育苗せず、苗を購入することにした。
トマトが植えてあった場所に移植している。
思いのほか虫にやられていなくて驚いている。来年は種を蒔いてみたいと思う。
ハーブたち
野菜と同様に、うまく育つハーブもいればそうでないものもある。
レモンバジルはかなり楽しんだハーブだ。一株だけ今でも菜園に残していて、香りを楽しんでいる。そのほかは葉を収穫して乾燥させ、料理に使っている。
ハーブティーにもしたが、ワイルドな草の香りがあるからほかのハーブとブレンドしたほうがよさそうな印象だ。
小さな種から徐々に徐々に成長しているハーブ、それがグリークオレガノだ。育苗し、移植した時はわずか10㎝ほどのものが多かったが、葉を増やし、花芽もいくつかつけている。(うれしい。)
オレガノは料理に使うために植えたのだが、レモンバームと合わせてハーブティーにしたらおいしかった。
1年目は収穫できないルバーブ。やっとルバーブらしい茎になってきた。
このグラデーションが大好きだ。
最近気に入っているレモンバーベナ。
レモングラス、レモンバームと合わせたブレンドティーをよく夏の間はアイスティーにしていた。今はリラックス、またリフレッシュしたいときに温かいこのブレンドティーを飲むのが好きだ。
そういえばフランス料理店でアルバイトをしていたとき、食後に好んでベルベーヌ(レモンバーベナティー)を頼む人がいたのを覚えている。
最後に..「道のり」
「パーマカルチャー」という言葉が自分の中にずっしりと入ってきたのはリヨンへ留学して間もないころだった。
当時は環境問題をはじめとする社会課題を知って、人間として生きることとか、人間らしさとか、そういうものがわからなくなっていた時だった。遠く広い世界を見ていて、何をしたらいいのか、何をしていたら地球を傷つけないのか、そんなことを考えていたと思う。
そんな時に頻繁に聞いたこの「パーマカルチャー」が、やけに輝いて見えたのだった。フランス語だと、「ペルマキュルチュール」。
何より、アトリエに参加してみたら、楽しそうに菜園をデザインしている人たちがいて、自慢げにコンポストを見せてくれる人たちがいて、彼らは課題をちゃんと知ったうえで前向きに日々を楽しんでいるように見えた。
帰国してからパーマカルチャーを知る機会があって、卒業論文でアグロエコロジーを調べて、農的な暮らしの魅力にはまっていって……そして今がある。
ほんの数年前なのに、遠くを見ていた自分がとても若かったと感じる。
今は自分の内側や足元を注意深く観察するような毎日だ。
それはとても心地よい。
たくさんのことを感じられるようになったし、「大切だ」と思えるもの、時間が自分の中に備わりつつある。
秋がおわって冬がきて、また春をむかえるその繰り返しを、これでもかというくらい愛おしく想いながら生活していきたいと思う。
大学を卒業してすぐにそれに気づく時間を持てたことに感謝したい。
(つづく)
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