今年もやってきました。
チョコレートが恋しくなる季節。
ここでは、今回作った9種類のチョコレートを紹介していきます。
味を想像しながら読んでいただけたら幸いです。
目次
使ったチョコレートについて
チョコレートが好きな方やお菓子作りをされる方にはご存知、ヴァローナのチョコレートを今年も使用しました。
1㎏のチョコレートを4種類、ヴァローナ・ジャポンのオンラインブティックで購入。
それぞれの特徴を簡単にご紹介します。詳しくはヴァローナさんのホームページをご覧くださいね。
(http://www.valrhona.co.jp/)
ARAGUANI アラグアニ
ベネゼエラ産のカカオを使ったブラックチョコレート。苦みの中にも深みのある香りとアロマがバランスのよい風味。カカオ分72%。
ALPACO アルパコ
エクアドル産のカカオを使ったブラックチョコレート。上品な苦みと力強い風味、その中にあるフローラルな香り。カカオ分66%。
TANARIVA LACTEE タナリヴァ・ラクテ
マダガスカル産のカカオを使ったミルクチョコレート。ほのかな酸味を感じつつ、ミルキーなキャラメル感を感じる。カカオ分33%。
OALYS オパリス
真っ白なホワイトチョコレート。ホワイトチョコレートでありながら甘さは控えめでほかの素材を引き立てる。カカオ分34%。
ヴァローナさんの中にはカカオの産地が記載されていないチョコレートもたくさんあります。
しかし今回はオリジンが一つの国のカカオを使ったものを選びたい、その中でも創造力をかき立ててくれるものを選びたいと、この4種類に決めました。
それはやはりカカオ農業に興味があるから。昨年9月、実際にカカオが栽培されているところを見て、生のカカオを食べてと経験して、より一層カカオに興味を持ちました。
bean to bar など、カカオ、チョコレート産業に少しずつ動きがある中、今後どのように変化していくのかワクワクしながら、私は今できる技術で今回作ろうと、一粒一粒の味を考え製作しました。
9種類、一粒一粒。
今年のボンボンショコラのテーマは
「大人な粒たち」。
私事ですが今年成人という節目の年を迎えました。20歳になったからといって何か変わるわけでもなく。
でも少し気取ってみたいという気持ちをボンボンに入れてみました。
お酒を使ってみたり、スパイスを使ってみたり。
甘さや香り、後味などを楽しんでいただけたなら嬉しいです。
お水と合わせるとチョコレートの特徴がつかみやすいかと思いますが、コーヒーと合わせてもよし、紅茶と合わせても、ハーブティーと合わせてもいい。
好みの食べ方を見つけてみてください。
Passion Fruit パッションフルーツ
アラグアニ(ブラックチョコレート)の半球の中にオパリス(ホワイトチョコレート)を使った酸味のあるパッションフルーツガナッシュ。金箔をあしらって少し上品に。
外と中でバランスを取ることを目指しました。
チョコレートのなかに潜むパッションの黄色も楽しんで。
Chai チャイ
タナリヴァラクテ(ミルクチョコレート)を使った甘いチャイを連想させるガナッシュ、それをアラグアニ(ブラックチョコレート)でコーティング。
口に入れた瞬間はカルダモンやシナモン、ジンジャーの香り。口に残るのはチャイを飲んだ後のような甘みとスパイス感。
チャイはオーストラリアの PRANA CHAIのものを使いました。お気に入りのチャイはチョコレートにしても香りが楽しい。(https://pranachai.com/)
Honey Caramel ハニーキャラメル
キャラメル感が強いタナリヴァラクテ(ミルクチョコレート)の半球の中には、ブルーベリーの花のはちみつを使ったキャラメル風味のやわらかなガナッシュ。
焦がした砂糖のほろ苦さの中にはちみつのコクと酸味を追加。
ミルクチョコレートらしい、甘さを残した一粒に。
Earl Gray アールグレイ
フローラルな香りのアルパコ(ブラックチョコレート)を使い、アールグレイを香らせたガナッシュをタナリヴァラクテ(ミルクチョコレート)でコーティング。
紅茶はHampsted Teaのものを使いました。(https://www.hampsteadtea.com/)
オーガニックでバイオダイナミックな紅茶を展開していて気に入っている紅茶です。
昨年も一昨年もこの茶葉でボンボンを作りましたが、今年もやっぱり作ってしまった、香りが好きな一粒。
Strawberry ストロベリー
程よい苦みのアラグアニ(ブラックチョコレート)の中にいちごリキュールを使った2種類のガナッシュ。
上層はオパリス(ホワイトチョコレート)でとろりと甘く、下層はアラグアニ(ブラックチョコレート)で引き締めて。後味にほんのり日本酒の香り。
一瞬いちごミルクを感じつつ、甘すぎない一粒に。
アルコール度数は3%のリキュールなのでそれほど感じないかと思いますが、お酒が飲めない方はお控えください。
Anice & Praline アニスとプラリネ
アルパコ(ブラックチョコレート)にスターアニスを香らせたスパイシーなガナッシュ、その上にヘーゼルナッツプラリネとタナリヴァラクテ(ミルクチョコレート)の甘いガナッシュの二層仕立て。
それをアラグアニ(ブラックチョコレート)でコーティング。
ベトナム産のオーガニックスターアニスを使って。
チョコレートとプラリネ、スパイスが合わさった香りのコンビネーションを楽しみたい一粒。
Coffee コーヒー
アルパコ(ブラックチョコレート)の半径の中にコーヒーを香らせたガナッシュ。カフェオレを思わせる一粒に。
コーヒー豆は神奈川は座間にある RED POISON COFFEE ROASTERS のもの。
(https://red-poison.com/)
Rwanda Nyaruguru Peaberry Washed、シナモンローストをチョイス。甘みのある浅煎り好きにはたまらないお豆です。
香りを楽しむためにじっくり舌でなめながら味わいたい一粒です。
Praline & Cinnamon プラリネとシナモン
フィヤンティーヌとプラリネ、タナリヴァラクテ(ミルクチョコレート)のサクサクした層とアラグアニ(ブラックチョコレート)にシナモンの香りをつけたスパイシーで苦みも感じるガナッシュの二層仕立て。それをアルパコでコーティング。
スリランカ産のオーガニックシナモンを使いました。
食感も楽しく、香りも楽しんでいただきたい一粒です。
Matcha 抹茶
9種類の中で唯一、オパリス(ホワイトチョコレート)だけを使ったボンボンショコラ。京都の抹茶をふんだんに使って。
ホワイトチョコレートだからといって「甘い」と感じさせないショコラを目指しました。
抹茶ラテのような香りを楽しんでいただきたい一粒。
ボンボン作りを振り返って
一人暮らしの狭いキッチンではチョコレート作りが困難なため、実家に帰って9種類、300個のボンボンショコラを作りました。
相変わらず作る前に考えている時がとても楽しくて、一種類一種類完成するにつれてもう終わってしまうのかという悲しさを覚えたほどです。
独学なりに何かに没頭し、探求することの楽しさ、面白さを改めて感じたチョコレート作りでした。
どうか、ショコラを食べた方々がハッピーな気分になれますように。
そして皆さんも素敵なバレンタインデーを。
Yuriko
私がアルバイトをしているレストランのシェフからの指摘で気づいたのですが、私のボンボンショコラは大きさが普通よりも大きいです。
私はガナッシュの質を確認するためにかじって食べていましたが、フランスはパンを手でちぎって食べるように、かじるという文化がありません。だから一口で食べるんです。
一口で食べるには大きすぎると指摘され、今まで考えたこともなかった指摘だったので思わず「そっか〜」と納得してしまいました。
私のボンボンを食べる方はぜひ、包丁で半分くらいにして楽しんでいただければと思います。
以上、気づきと反省点でした。
皆様、良い一日を。