大学生時代、約3年間住んだ場所。
いざその土地を離れるとなった時、引っ越しの準備をしながら、もうここに住むことはないのかもしれないと思い、急に寂しさに駆られた。
そんななか、フィルムカメラを片手に散歩するようになった。
寂しさを紛らわすかのように。
ここで紹介する写真は、引っ越し2週間前から引っ越しの日までに撮った街並みの様子である。
「草加松原」の名の通り、松並木がシンボル的存在のよう。
まっすぐのこの道を歩くと、気分を前向きに、正してくれるような気がしていた。
家から学校まで、25分の道のりは、この伝右川沿いを歩いて通学していた。
細い裏道を通るこの通学路は、オナガドリやキジバト、スズメやヒヨドリなどと挨拶を交わす場所でもあった。
通りにはところどころにベンチが置いてある。
週末には子どもたちが集まる様子もよく見られる。これがまたこの商店街の雰囲気を創出する。
草加といえばせんべいだろう。草加せんべいは米と醤油という、シンプルを極めたようなせんべいだ。
厚さのあるそのせんべいは、米の甘味を強く感じる。
手焼き体験ができるお店もいくつかあって、これがまた楽しい。
草加住まいでお世話になったのが公園。
卒業論文に行き詰っては、よく公園に行って芝生で横になっていた。
家から一番近くにあった公園は、とても小さくてベンチも少ないが、人も少なく、シンとしている。
そこで瞑想したり本を読んだりする時間が心地よかった。
近所の布団屋さんには看板犬がいた。
夕方に前を通るとそこに座っている。
いつもどこか遠くを見ていて、すべてを見透かしているようでもあった。
夕方の松並木は、人通りは少し増えるものの、夕焼けと組み合わさってなんとも言えない美しさがある。
この時間に松並木を散歩するのは本当に心地よかった。
街並み編はこれでおしまい。
続編として、次回は草加で通ったお店の一部を紹介してみよう。
コメントを残す