聞こえてくるその声に じっと耳を澄ませる
その顔が悲しそうなのか 楽しそうなのか 疲れているのか わからない
毎日聞こえるその声を 目をつむって聴きながら
おつかれさま と言いながら
今日という日を振り返る
いつものように 何気ない会話
今日もこれで一日が終わる
ふとした時 わかりあえなさ にぶつかる
どうしようもなく もどかしく
ただ自分の考えをぶつけて 相手の考えがぶつかってくる
もう眠いはずなのに 頭はぐるぐる回転する
そうだよね と言えたのなら
わかるよ と言えたのなら
そう思いながら どこかその どうにもできないはがゆさを
楽しんでいる自分がいることもしかり
わかりあえない にぶつかると
自分の考えと 向き合うことになる
個がなければ そこに わかりあえなさはない
わかりあえなさが 個を強調していることもしかり
わかりあえないから つらくて
わかりあえないから 楽しい
わかりあえないに ちゃんと向き合おうと
わかりあえないを 見捨てないようにと
逃げ出さずにいるわたしたちを たまには褒めてあげたい
どんなにわかりあえなくても 悲観しなくていい
わかりあえなさに 向き合うたび
わたしたちは 違う世界に触れて ちょっぴり大人になっていく
わかりあえなさを 知っているから
わかりあえたとき まるで宝物を見つけたような気分になれる
そこに愛が 確実にあって
相手のどんな言葉 考えをも 受けとめる勇気があれば
わかりあえなさを 尊く思えるようになる
わかりあえなさは わたしたちに与えられた肥やしで
目にも見えない 言葉にも表せない
もっと奥深く どこかの果てで わかりあうための
階段なのかもしれない
(2021年7月2日執筆)
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