4月11日、日曜日。
栃木県は小山市にあるcafe FUJINUMAで開催された、FUJINUMARKET。
私はお菓子を販売させていただくことに。
ここではその時の写真と、感じたことを少しだけ綴ってみたいと思う。日記のように、ラフに。
まずは簡単に、参加することになった経緯を。
藤沼さんは高校生のころに知り、それからカフェに行くこともしばしば、お菓子を食べていただくことも何度かあった。なんといっても私は彼の焙煎するコーヒーのファンでもある。母は定期便も購入するくらいだ。
そんな藤沼さんが時々開催するイベントが、それまた魅力的なのだが、今回3月に「FUJINUMARKETを開催します」という知らせを聞いて、私はまずそこを訪れる自分を想像した。春の温かな空気の中で楽しそうな空間になるのだろうと想像できたが、同時に自分がそこに出店者側で参加したらなんて楽しいのだろう、とも想像が膨らんだ。
と、想像(妄想?)を膨らませているうちにいつの間にか藤沼さんに連絡をしていて、二つ返事で「ぜひ!参加して!」ということになっていた。なんと嬉しいことだろう。
FUJINUMARKETは会場が複数で行われ、カフェの本店とフジヌマビルジングの二か所で開催された。ビルジングは廃墟状態。それがまた味を出していた。
今回の参加者はこんな感じ。
多種多様で楽しい。みんなそれぞれの色があって、それが分かりやすく出ていて、面白かった。
私はその中でも特に、写真、本、アジアンフード、ティードリンクを楽しんでいたかな。
もちろん、参加者として焼き菓子の販売も、最高に楽しかった。
並べたのはこの4種。
- いちごのタルトレット
- サブレ詰め合わせ(アールグレイ・レモン・くるみ&シナモン)
- ミニカヌレ(プレーン5個・チョコレート2個入り)
- メレンゲ(レモン・いちごの2種入り)
言うまでもないが無添加で、できるだけ国産の材料を使っていて(チョコレートとくるみは外国産)、小麦粉は友人がお手伝いしていた農家さんが育てている有機栽培のもので、いちごも地元で栽培されたもの。
まずはじめにカヌレが売り切れ、その後サブレ缶、タルトレット、メレンゲと、あっという間に終わってしまった。わざわざ買いに来てくれた方にも、通りすがりで買ってくださった方にも、心から感謝。
「お菓子」を通じて改めて繋がれたような気がして、なんとも幸せな気分になった。オンラインで販売することはできるかもしれないけれど、ちゃんと顔を見て販売できるというのはやはり人間味があって良いなあ、と思う。
そしてSNSなどでつながってはいたものの初めてお会いできた方や、久しぶりにお会いできた方もいて、顔を見ながらリアルで話せることのありがたさも思った。
どれを買おうかな、と自分の予算とお茶タイムと相談しながら悩んで選んでもらう嬉しさ、「買えてよかった」と言ってもらえる喜び。
お母さんと思われる人と一緒にいた小学生高学年か中学生くらいの女の子が、しばらく少し遠くからこちらを眺めていて、それでお母さんに何か伝えてお金をもらい、「タルトレット一つください」と言いに来てくれたこともあった。少し照れくさそうに、でも嬉しそうに。
そういう、小さなストーリー一つ一つが愛おしく思える。それはやはり、直接手渡しできる喜びなのだなあ。
ちょうどこの写真の時、メレンゲを買ってくれたのは3人のフィリピン人の方々。タガログ語と英語を交えて話されていて、私はタガログ語はわからないから英語で対応をしたのだけれど、「ああ!メレンゲって懐かしいわ。フィリピンで食べてたのよ。」と嬉しそうに買ってくれて、心が温かくなった。
これはただの欲かもしれないけれど、せっかくお菓子を作るのなら、単なる「おいしい」を超えられたなら、と思う。
こうやって「メレンゲ」から「懐かしいメレンゲ」と、自分の作るお菓子に一つ形容詞が増えることを嬉しく思う。
そんなことを思いながら、あっという間に時間が過ぎていった。まだまだ販売するということに慣れていない身、一つ一つの出会いや経験を大切に、これからもお菓子を作っていきたい、そう改めて感じている。
お菓子の記録はここまでとしよう。ここからは全体的な感想を少しだけ。
こういうイベントに参加する度に感じるのは、空気。空間の色や空間の柔らかさ。
マルシェが好きで、大学で自分でも開催したくらいなのだが、そんな私はイベントごとの空気感の違いを面白いと思う。
そこにいる人が違うのなら空気が違うのも当然かもしれないが、その空気になるのはなぜなのだろうと考えるのが楽しいのだ。
日曜日ということでパートナーが来てくれたのだが、彼のつぶやいた一言を聞き逃さなかった。
「ゆったりした空気が流れているね」
うん。ゆったり。確かに。
私は「ゆったり」に「穏やかな」や「ピースフルな」や「のんびりとした」というニュアンスも含まれた柔らかい空気感だと感じた。
物質的な空間の演出、ハード面での雰囲気というのは少なからず必要だが、それと同時に、どんなヒト(出店者もスタッフも来場者も)がそこに存在し、どんなモノ(商品など)が並ぶか、ということもその雰囲気を作っているのではないかと思う。
例えば、私がお菓子を置いていた向かいには、古本屋さんが本を並べていた。それを見ていたら、その世界に引き込まれてしまうような、絵本が多く見えたから子ども心に戻るような、そんな錯覚になる。店主さんもまた、なんだか柔らかい、やさしい雰囲気を醸し出していた。
その雰囲気とそのブースを訪れる人が組み合わさって、その場の空気がつくられているように思った。
そして今回のようなイベントで面白いのは、一つ一つ全然違う業種のお店が軒を連ねるのに、なんとなくマルシェ全体としての一体感のようなものが存在していること。
正確には自分のブースがどのようにその空間に存在していたかはわからないけれど、少なくとも私の見るかぎり「FUJINUMARKET vol.5」という空間がそこには存在していて、それは本屋さん一つでも、お茶屋さん一つでも、写真展一つでも成しえない「FUJINUMARKET vol.5」という場だった。
終わってみて感じるのはこういったイベントが好きだなあ、これからも参加していきたいなあ、というシンプルな気持ち。余裕があったら自分でも開催したい。今度は地元で。
それにしても、コロナ禍での開催はやはり反対の声もあったようだが、前を向けるような楽しい場を創出する藤沼さんのエネルギーには、脱帽である。
そんなこんな、フジヌマ―ケットの振り返りをしてみた。
とにかく素敵な空間で、最高に楽しい時間だった。それは自分で撮った写真とTetsuさんの素敵すぎる写真からも、伝わったのではないだろうか。
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