言葉で言い表せないほどの感謝の気持ちを私だからこそ伝えられる形で伝えたい。やはりお菓子として形にできたら、と構想を始めたのが12月の初め頃。
限られた時間の中で作れて、日持ちもして、自分がもらって嬉しいお菓子…そんなこんなでサブレコレクションを作ることにしました。
ここでは2023年最後の菓子制作となったサブレたちの顔ぶれを紹介します。
7種のサブレたち
Papillon(パピヨン)
蝶々の型で抜いたシンプルなサブレ。透明なケースで華やかに存在してもらいたくて、ルビーチョコレートでコーティング。
小麦粉、砂糖、卵、アーモンドパウダー、塩のみ。
シンプルなクッキーは、どこか記憶と結びつくところがある。チョコレートに親しみのなかった小学生の頃の私が「友チョコ」として母と一緒に毎年焼いていた型抜きクッキーを思い出す。
Earl Grey(アールグレイ)
アールグレイのベルガモットが香る、茶葉を加えたサブレ。周囲にまとわせたグラニュー糖がジャリジャリと。
何の変哲もないサブレ、味の想像が容易でありながらそれでもやはり作ってしまうのは、乳製品とアールグレイが混ざり合った香り(味)がたまらなく好きだから。
Praliné (プラリネ)
ジャンドゥーヤを、ほんのりシナモン香る生地でサンドしたナッツ感が香ばしいサブレ。
ちょっぴり贅沢だから自分では頻繁に買わないけれど、でも時々特に冬になると食べたくなるジャンドゥーヤ。食べるとほっこり温かくなるのは私だけでしょうか。
Citron(シトロン)
生地にはレモンピールを加え、焼き上げた後にはレモンアイシングを表面にまとわせた、爽やかなレモン風味のサブレ。
アイシングで生地がどうしてもしけてくるため、早めに食べてしまうのがおすすめ。
コーヒー屋の友人が「コーヒーに一番合うお菓子はレモンを使ったものである」と言う。レモン風味の菓子を作りたくなるのは、果たしてコーヒーが好きだからか、あるいはレモンが好きだからか。
Amande salée(アマンド・サレ)
アーモンドの芳ばしさに塩のアクセント。
甘いもののコレクションに「サレ(塩味)」が入っていると嬉しくなる。甘さに飽きてきた頃に塩気のあるものを口にするとまた甘いものを口にしたくなる。
このサブレケースをすぐに食べつくすのに貢献しているのがこのアマンド・サレ、というわけです。
Umé(ウメ)
梅が青いうちは梅酒と梅ジュースに。熟れすぎてしまった梅はコンフィチュールにして保存し、その酸っぱさを年中楽しんでいます。
バターと梅ジャムの組み合わせは、パンの上でその美味しさを日々実感しているから、それをサブレにしてもいいだろう、という魂胆。
酸っぱいもの好きな私が、好きなものを共有したい一心で作ったサブレ。
Épice(エピス)
クッキー缶の中に入っている、隙間を埋めるためのわき役たちが好きです。
今回はヘーゼルナッツパウダー特有の香ばしさとスパイスを合わせたサブレ。ヴィエノワ的な生地で、ちょこん、と小さめのフォルムで。
スパイスはシナモン、クローブ、カルダモンを使用。
寒い季節の定番、チャイにも好んで加えているスパイスたち。複数のスパイスが合わさったこの香りはどこか落ち着いてほっとする。
最後に
少し前、遠くにいる友人からそれはそれは綺麗なクッキー缶が届いたことがありました。
疲弊していた私にとってはなんとも嬉しいプレゼントで、毎日2枚くらいをお茶と一緒に楽しみ、ほっと一息ついていたのを思い出します。
「美味しい」はグラデーションの幅が広いものですが、今回のサブレたちは「今年頑張ったご褒美」のような存在で、ほっと一息つくお供に「美味しい」を添えられたらいいな、という気持ちを込めて。
受け取った方々が、家族や大切な人と分けたり、隠して少しずつ食べたり。それぞれの方法で楽しんでいただけたなら、と願って。
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