ことばとわたしたちって
どうやって付き合ったらいいのだろう
好きとか愛とか幸せとか
これっていう意味がはっきりしなくて
使う人それぞれに
使いたいタイミングがあって
その人の心が伴っていて
曖昧でとてもひとことでは言い表せそうもない
曖昧なことばなんて無責任に使いたくないや
そう投げやりになる気持ちをどこかへ置いて
素直に自分の感じるままにことばを使ってみる
ふと出てきたそのことばは
たとえ意味をはっきりさせられなくても
自分の感覚がわかっていて
それがことばとなって口に出てしまう
幸せって口に出たなら
それが幸せの正体で
別にこれをしたから幸せだとか
あれのおかげで幸せだとか
そういうものでなくて
なんだかわからないけど
幸せな気がする
くらいのテンションがちょうどいいのだと思う
これとこれとこれが揃うと
人が幸せになります
みたいな方程式があったらつまらないもの
曖昧だけどなんとなくそう感じるからそのことばを使う
そうやって自分の感覚と向き合っていると
ことばに思い入れが出てくる
自分のことばになってきたと感じた矢先
ことばはただのことばでしかないと気づく瞬間がある
そのことばってどんな時に使ってるのかな
なんで使ってるんだっけ
プカプカことばが浮いている状態になって
鮮やかだった色が白く塗り替えられているのを感じる
そこからまたその人とそのことばとのやりとりが始まる
曖昧なことばであるほど
鮮やかになったり真っ白に塗り替えられたり
時には赤で時には青で
その人のなかで色が刻々と変化する
その変わりようを見ていると
ことばがまほうのように思えてくる
(2021年8月7日執筆)
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